「日韓条約 知られざる交渉の内幕」 その4 【NHK】 (再)
その3から続きです(青字はナレーション)(昔のテレビのアナウンサーの声はピンク字)
被害者個人に支払いたいとする日本側と、韓国側は名簿がないので国が一括して受け取りたいと主張し対立したまま膠着する日韓会談の様子。
でも・・・両国ともに実は「名簿」があったというオチ・・・ (・・;)
この頃、日韓会談の方針について外務省が纏めた機密文書です。第5次会談が始まる直前に書かれた物と見られています。
その内容は、「謝罪」や「償い」といった意味の"請求権"ではなく"経済協力"という形の援助を行うというものでした。
-財産請求権問題は、一種の棚上げにする方が適当である。その一方で、日韓会談妥結の為に韓国になんらかの経済協力を行う必要がある。我が国にとっても、「過去の償い」という事ではなしに、韓国の将来の経済に寄与するという趣旨ならば、かかる経済協力を行う意義ありと認められる-
文書には外務省幹部の意見が付け加えられていました。
-無償援助は韓国側請求を全て放棄せしめるのでなければ、国内で支持を得られない-
つまり経済援助によって、韓国側の請求権を帳消しにし、更に工業製品などを送る事で日本の経済成長にも結び付けたいという考えでした。この頃、経済協力方式の取りまとめに奔走したのが、当時、北東アジア課長代理だった柳谷謙介さん、80歳です。
柳谷氏「どの辺が落とし処かと、、基本的な立場なり利益は守りながらも相手国の言うにも歩み寄ると。そうやって韓国との関係が良好になる事はとっても長期的な国益だという意識がまぁありましたからね、そうなるとまぁ例えば請求権についてはね、なんか落とし処を具体的に定めなきゃなんないという事で私も随分ペーパーを書かされた思い出がありますけれども、やっぱりねぇ、あのー、今でも私はそう思ってますけど、あのような解決ねっ、経済協力という解決の他にですねぇ、別の選択肢が本当にあったのかどうかというと、なかったという気がするんですね。」
会談の席上、韓国側は「請求権」の内容を具体的に提示しました。
韓国側の発言「韓国側は生存者・負傷者・死亡者・行方不明者、そして軍人・軍属を含む徴用された人々全てに対する補償を要求する。」
これに対する日本側の反応は、韓国側にとって意外なものでした。
日本側の発言「日本側も韓国人被害者、そしてその遺族に対して可能な限り措置を講じようと思う。韓国側は被害者の具体的な調査をする容易はあるか? これらの人々の名簿があれば速やかに解決できるはずだ。」
韓国側の発言「若干の資料はあるが、不完全だ。これから調査する事は困難である。特に軍人・軍属については日本側が全て資料を焼き捨てたではないか。多くの人が徴用された事だけは事実であり疑う余地がない。その数は
様々な資料に基づいて調査したが名簿はない。」
日本側は証拠の提示を繰り返し求めました。
日本側の発言「徴用者の中には負傷者もいるし、死亡者もいる。また負傷者にも原因や程度に違いがある。これらの事実が全然分からないままカネを払うわけにはいかない。まず、被害者個人の具体的な申告があってから支払うのが妥当ではないか。 」
韓国側の発言「韓国側は国として補償を請求しているのだ。被害者個人に対しての支払いは韓国政府の手で行いたい。」
会談では、被害者個人に支払いたいとする日本側に対し、韓国側は名簿がないので国が一括して受け取りたいと主張しました。
当時、韓国外務部に入ったばかりだったキム・テジさん、70歳です。キムさんはこの会談の下準備に当たっていました。
キム氏「証拠について言うなら、当然日本がたくさん持っていたはずですが、それを示そうとしませんでした。つまり、日本側も被害者個人ではなく、韓国政府に一括してカネを支払うという方法しか選択がなかったのです。日本側は交渉の過程ではあのように話していましたが、実際に我々がそれを受け入れると思って話していたとは思えません。」(元駐日大使)
柳谷氏「資料は実際上消滅してしまっているという事がはっきりしていたから、お互い口には出さないけれども、これで対立している限り、いつまで経っても解決しないなと。何か別の解決法を探さなきゃなんないなという気持ちになっていた頃ですからね、それはやがてその経済協力という形になっていくわけですけれども、、」(当時の北東アジア課長代理)
第5次会談で、名簿の有無が話し合われてから30年後、日本で詳しい個人資料が見つかりました。これは戦後間もなく厚生省がまとめた物です。
この名簿が見つかったのは1990年、来日したノ・テウ大統領は日本政府に強制連行者の資料の提示を求めました。これを受けて労働省が調査した結果、6万7000人分の名簿が発見されました。
ここには朝鮮半島から来た労働者1人1人について、氏名・生年月日・本籍地・職種・入所年・退所年・退所理由・未払いになっている賃金・厚生年金など多くの項目が記されていました。
日韓会談で、
日本が無いと主張していた名簿は存在していました。その後、資料発掘の機運が高まり、民間でもいくつか当時の名簿が見つかりました。その1つが駒澤大学図書館に保管されています。
この名簿にも未払い賃金や貯金・厚生年金などの額が詳細に記されています。朝鮮半島から来た労働者の未払い賃金などを示すこうした資料はまだ公開されないまま全国にあると言われています。
また、同じ1990年、
韓国にも名簿のある事が確認されました。
倭政時・被徴用者名簿 第5次会談が始まる前の1957年、韓国政府が帰還者や遺族から聞き取り調査を行って纏めた28万人に及ぶ資料です。日韓会談当時、韓国にも被害調査の痕跡があった事が分かります。しかし、会談の場に提出される事はありませんでした。
2005年6月3日、日韓会談の重大な鍵を握る人物が来日しました。韓国首相を務めたキム・ジョンピルさんです。国交正常から40年、日本の新聞社の招きで講演を行いました。
キム氏「韓日国交化を主導したバク・チョンヒ大統領と私は、韓国が経済発展に成功し、軍事的・外交的にも自立自主できるする国に成長する事が、対等且つ生産的な韓日関係を持続させる鍵であると考えました。」(元首相)(流暢な日本語)
「軍部のクーデターは5月16日突如、ソウルに向かって進撃を開始、、」
1961年、韓国で軍部によるクーデターが起きました。政権を掌握したのが後のパク・チョンヒ大統領でした。
パク大統領は日本との国交回復に積極的でした。韓国経済を立て直すためには日本からの資金と技術が欠かせないと考えていたからです。
この時、パク大統領が会談妥結に向けて送り込んだのが、当時の№2キム・ジョンピル中央情報部長でした。
キム・ジョンピルさんがNHKの取材に答えました。この40年間、日韓会談の内幕について語る事はほとんどありませんでした。戦前、日本で教育を受けたキム・ジョンピルさんは自らの思いを直接伝えたいと日本語で語りました。
キム・ジョンピル氏「・・・いや、毎年来ますよ。今年の正月はソウルが寒かったから。
お互いに言葉尻を捉まえては、それでなんか言い合って会談を中止したり、まぁ時間が経てばまた集まって話をするような振りをするけど、内容、何にも無い。こういう事を繰り返しながら10年を費やしたんですよね。
だからいざ会談を纏める為には誰か犠牲的な事をして、門を閉ざされているその門を開いてやらなければいけない。これが朴大統領の考えであり、そして私に『君、我々は革命もした。その気迫で人が出来ない事をやろうじゃないか。韓国の近代化の為には、工業化の為には、これは必ず打ち開かなきゃならない道なんだから、どうだ、やるか』『はい、やりましょう』それで始めたんです。」
1962年、第6次会談は"請求権"をめぐって膠着状態が続いていました。前回の第5次会談で、日本が韓国になんらかのカネを支払う事については大筋の合意が得られていました。残された課題はその"額"と支払いの"名目"でした。
韓国側は日本に対する"請求権"として7億ドルを要求していました。
それに対する日本側の回答は、7千万ドル。両者の隔たりは明らかでした。
第6次会談の前から、アメリカは日韓会談の仲介に乗り出していました。訪米した池田首相に対し、ケネディー大統領は早期決着を求めていました。更に金額についても具体的な提案を行っていました。
韓国が提示した7億ドル、そして日本が提示した7千万ドルの丁度半分、3億8500万ドルで妥結してはどうかと提案しています。
ベンジャミン・フレック「アメリカは日韓会談の早期解決を本気で望んでいました。というのも当時はキューバのミサイル問題が深刻でケネディー政権は日本と韓国の対立といった問題に時間を取られたくはなかったのです。日韓会談が解決すれば、東西冷戦やキューバ危機といった他の問題を考える時間に費やす事が出来ますから。」(当時の駐韓大使館書記官)
日韓会談の決着は両国首脳による政治折衝に持ち込まれる事になりました。そこで登場したのがキム・ジョンピルさんでした。
日本側を代表したのは後の首相・大平正芳外務大臣でした。この時、キム・ジョンピルさんはパク大統領からの特命をおびていました。
キム・ジョンピル氏「まっ韓国としては、当時100億ドル貰っても少ないと言うでしょうねぇ。それで私はお尋ねしたんですよ、『大統領はどれ位をお考えですか?』と。『8億ドル位貰って来い』私はちょっとビックリしました。
当時日本は、私が当時知っておった日本の外貨保有高は14億ドル位。それは数字の上で。実質的にはその半分位持っておったらしいですね。難しいでしょう。しかし、やはり、、」
会談は冒頭から核心に迫る議論が交わされました。
キム・ジョンピル氏「日本はどの位支払う事が出来るのか?最終的な数字を言ってくれ。」
大平氏「大体、3億ドルである。」
キム・ジョンピル氏「それは韓国側としては到底受け入れられない数字だ。どのような事があっても6億ドルは超えなければならない。」
キム・ジョンピル氏「もう1つの問題は"名目"だ。日本側としては国民と国会向けに"独立祝賀金"あるいは"経済援助"などと表現出来ればよいが。」
キム・ジョンピル氏「日本の事情はそうだろうが、我々は"請求権"という名目であっても逆賊扱いされる状況なのだ。」
大平氏氏「しかし、我々が"請求権"という名目を使用すれば7000万ドルを支払うのも難しい。」
キム・ジョンピル氏「この問題は難しい。この話は止めてちょっと棚上げしよう。」
キム・ジョンピル氏(現在)「それで暫く経って私はこういう事を言った。『それも今やっているのを見ると無理でしょうね』どういう事かと。 『今、会談始めて2時間以上経っているのにコーヒー一杯くれないケチな国だから、(笑)それはもう出せないでしょう』 と僕はね、ちょっと皮肉ったらね、これはシマッタ!というので、コーヒーを持ってこさせたりしましたねぇ。だから会談が始まって2時間半位経った時に、コーヒー一杯貰いましたよ。
それからちょっと弾んで、『無償もちょっと増やし、出しましょうと言ってください』と。だから無償はまぁ2億ドル・有償2億位上がったんですよ。それで私に言えというから、『じゃあ言いましょう。これはもう最終的な韓国側の要求。そういうように受け取ってくれ。無償3億・有償2億そして輸出金あるいは民間借款協力、こういう性質のものを1億+α。』 とにかく私はもう8億ドルに作ろうというんで、そういう事をゆうたんです。
そしたら椅子から飛び上がりましたよ。(大平さんが?) おっ、『とんでもない』と。『私はそういう事出来ません』と。『いやできますよ。』、、」
この時の会談について一枚のメモが残されています。キム・大平メモと呼ばれるこのメモには日本が支払う合計金額が書き込まれています。
無償援助3億ドル・有償援助2億ドル。
しかしこのメモには合意した金額だけが書かれ、"請求権"なのか"経済協力"なのか交渉の焦点だった支払いの名目については一切触れられていませんでした。
キム・ジョンピル氏「『私は国民を代理して請求権と言いますよ』と。そして『国会に報告も、国会を通して国民に報告も、請求権をこういう風に合意を導出したこう言うはずです。だったら都合の良いように国会で国民に説明されたらいいですよ。どうせ請求権で始まった事ですから。』こう言ったんですね。」
(つづく)
"名簿"(個人資料)の件ですが、日本側の物は詳細に記入してありました(・・;)
朝鮮人曰く、「強制連行という酷い仕打ちをされた」ハズなのに、氏名・生年月日・本籍地・職種・入所年・退所年・退所理由・未払いになっている賃金・厚生年金・・・
あと「会社で貯金をもしてくれていた」「怪我を理由に帰国した」という被徴用者の証言もあるし、結構厚遇されていたのね!と思いました。
韓国人って、強制連行の意味、間違って理解してない?!
このシリーズ最後の記事は、14年に亘る交渉を経て1965年6月22日、日韓条約が調印されるまでの最終戦と、
個人補償をめぐって日本企業を訴え続けてきた人達が、
2005年の文書公開で個人補償の請求権は韓国にある事が分かり、ポスコに抗議に至る場面などなどです。
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