NHK【クローズアップ現代】(7/9)で、「アジア労働者争奪戦」と題し
「アジアの労働力争奪戦」として、ベトナム・ミャンマーなどの労働力をめぐり韓国・台湾と競合する問題に日本はどう向き合うべきかというのをやっていたので記録しました(青字はナレーション)
移民問題とは観点が全く違う重要な問題です。これどう思いますか?
国谷裕子氏「こんばんはクローズアップ現代です。
高度な能力を持つ外国からの人材は受け入れるが、海外からの単純作業を行う労働者は受け入れないというのが国の方針です。
この建て前を維持しながら人手不足を補い持続可能な経済成長を実現するための方策として打ち出されたのが外国人技能実習制度の見直しです。
実習期間を現在の3年から5年程度に延長する事や受け入れ枠を拡大する事などが見直しの柱です。
発展途上国への技術移転を進め、国際貢献の一貫として21年前に始まったこの外国人技能実習制度ですが、その実態は単純労働の担い手の確保という声が多く聞かれます。
また8日、アメリカの政府高官はこの制度が強制労働に悪用されるケースが後を絶たないと批判し日本政府に改善を求めています。
単純作業を行う外国人労働者は受け入れないという建て前と実態とが、乖離しているなど多くの問題が指摘される技能実習制度。
この制度を使って海外で人材の確保を目指している日本ですが、日本と同じように少子高齢化に直面し東南アジアの人材に活路を見いだそうとしているのが韓国や台湾です。 人材獲得競争が激化しています。
ご覧のように、韓国や台湾では外国人を労働者として正面から受け入れ、滞在期間つまり収入を得る期間を日本の3倍から4倍にしたり積極的に労働環境の改善を進めています。
実習生の獲得で苦戦する日本の実態をベトナムとミャンマーで取材しました。」
ベトナムの首都ハノイ。
この日、日本の建設会社など9社の人事担当者が技能実習生の試験を行うため現地の仲介業者を訪れました。
この仲介業者では日本に送る実習生を育成しています。
ベトナムの給与水準は、中国のおよそ半分。
勤勉な国民性もあって日本に労働力を供給する新たな国として期待されています。
40度近い気温の中、建設現場の足場の組み立てなど日本企業が求める実技の試験が行われました。
しかし、日本には強力なライバルが立ちはだかっています。
日本と同様、労働力不足に悩む台湾が先行しているのです。
台湾は最長で12年働ける制度を武器に去年、ベトナムから前の年と比べ1万6000人多い労働者を獲得しました。
日本企業に実習生を仲介する団体の代表金丸久雄さんです。
毎月のようにベトナムを訪れ実習生の受け入れを拡大しようとしています。
この日、金丸さんは台湾を中心に労働者を派遣している会社を訪れ、協力を求めました。
しかし、相手側からは日本は滞在できる期間が3年と短く労働者にとって収入面のメリットが少ないと苦言を呈されました。
このベトナムの会社では、去年台湾に2500人の労働者を送り出しましたが日本は、その10分の1に留まっています。
「ベトナムの労働者は日本に行かなくても台湾などで働くことができます。
日本の受け入れ制度が今のままだと日本企業にとっても得にならないと思います。」
制度面での見劣りを指摘された金丸さん。賃金を改善するなど企業が努力していくしかないと感じています。
「我々日本側の企業にしてもそうですけども、もう少し就業する環境条件というものはもう少し良くしていく必要性というのはあるだろうなと。」
アジアで厳しさを増す労働者の獲得競争。
日本企業が次なる獲得の場と捉えているのがアジア最後のフロンティア、ミャンマーです。
「デ・キ・マ・ス」
一昨年、日本への実習生を育成する学校をヤンゴン市内に設立した渋谷修二さんです。
「大学は終わったんですか?」
日本語を基礎から教え日本の企業に送り出しています。
しかし、ここでも争奪戦が過熱しています。
渋谷さんの学校に入学した生徒の4割が途中で辞め、その多くが出稼ぎ先を日本以外に切り替えているのです。
急速に存在感を強める韓国。
政府が前面に出てミャンマー人労働者の大量獲得に乗り出しています。
この日、韓国への出稼ぎの資格を得るための試験が大学を貸し切って行われました。 試験を実施したのは韓国政府。
過去最高の1万4000人が受験しました。
韓国政府は、こうした試験をミャンマーなどアジア15か国で実施しています。 合格者の情報は15万人分。
本国のデータベースで一括管理され外国人を雇いたい企業に直接紹介される仕組みになっています。
日本などでは外国人を雇う場合、民間の仲介業者が間に入ります。
韓国の場合、政府が一括して人材を確保するため外国人にとっては仲介業者への高額な支払いは不要になり最低限の手数料で済みます。
その分、収入が増えることになるのです。
「韓国は渡航費用が安く済み高い収入を得られるので今、人気になっています。 私たちは韓国の制度を高く評価しています。」
日本向けのミャンマー人実習生を育成している渋谷さんです。
この日、1人でも多くの実習生を獲得しようと就職説明会に出向きましたが、関心を示す人は多くありませんでした。
国を挙げて大量の人材獲得に当たる韓国などに対して、民間の業者だけで対抗することに限界を感じ始めているといいます。
「一昔前であったらやっぱり日本ファン・日本への憧れそういったものっていうのは相当多く声、聞いてましたけど、そういった人材のところまでもやっぱり日本だけではないよという時代になることは若干、寂しさ感じますね。」
(VTR終了 スタジオトークはやや要約)
国谷氏「 今夜は外国人労働者の問題に詳しい、首都大学東京教授の丹野清人さんにお越し頂いた。
争奪戦が非常に激しくなっている中で、苦戦を強いられている日本の本質的な、一番弱いところはどこか?」
丹野清人氏「根本的には韓国も台湾も、”労働者”として受け入れている。
それに比べて日本は、”技能実習生”・・労働者になる前の人として受け入れてしまっている。
その違いがいろんな面での日本の弱さを作り出していると思う。
労働者として受け入れるからこそ、韓国は二国間協定を結んで、国が前面に出て人集めをやるので制度も当然、透明性は上がる。
それに比べると、日本はエージェント・仲介業者が頑張ってはいるが、やはり仲介業者が集めて、教育して、そして日本側の仲介業者に渡すという形で人を送るとやはり透明性はどうしても上がらないし、業者からしても、やはり最初のイニシャルコストがかかるので、その分を労働者に払わせる。
そういう費用がかかった結果、イニシャルコストがかかって3年しか居られないなら、日本の魅力は下がらざるを得ないと思う。」(首都大学東京教授)
国谷氏「その初期にかかる費用は、日本に行く場合と、韓国に行く場合とどれぐらい違うか?」
丹野氏「日本のイニシャルコストも結構差があるが、やはり100万円程度~300万というような金額を聞くこともある。
それに比べると韓国はやはり1/3~1/5程度というように聞いている。
イニシャルコストは格段に違う。」
国谷氏「3年でそれを払わないといけない? 」
丹野氏「日本に来た場合だと、3年でそれを払わなきゃいけないから、来た後も、残業もしなきゃいけないし、土日も削れるような形で一生懸命働かなきゃいけない。
もともと技能実習生って賃金が安い所に回ている現状なので、長時間労働ということから抜けられないという構造になってしまう。
それから比べれば、(韓国は)イニシャルコストが低いからこそ、働く時間にある程度余裕を持てるし長く働けるので、ある程度余裕を持って稼ぐ事が出来るので、やはり魅力度っていう点では、もう全然違ってしまってると思う。」
国谷氏「国を挙げて人材を獲得しようとしている韓国の場合は、国に帰ると、15か国の人材の情報がデータベース化されて、そして企業とマッチングが行われていると。この制度も徹底してますね。」
丹野氏「そうですね。あれは人が欲しい会社からすると、私の所に外国人労働者欲しいんですと、政府の機関に申し出ると、機関の方から1人の紹介ではなく、5人から10人程度の募集者を出してくれて、その中から選ぶっていうような仕組みになっている。
そうすると、企業から見ても、仲介業者から与えられた人を採用するのではなくて、あくまでも自分が選んだ労働者を採用した事になるので、当然、企業も自分の責任を感じて労働者を雇用するという形になっていく。
その点でも労働者としてきちんと受け入れてるって事が大きな違いだと思う。
国谷氏「強制労働の温床になっているんではないかと、日本の制度への批判は海外から強いが? 」
丹野氏「このところは本当に難しい。韓国の場合”労働者”として受け入れてるので、それこそ未払い賃金はあってはならないし、雇用保険、失業保険、労災保険等々の保険等もきちんと払ってる所でしか雇用できないという仕組みが出来るのに対して、
日本の場合だと、エージェントを通して渡されるので、必ずしもそういった保険が完備しているかというところまで徹底できない。
そういう事を完備できないような、むしろ安い労働者としか使えないような所にしか、そういう所も排除できないで人が回っていくっていう部分があると、諸外国から見た場合には、低賃金労働、奴隷労働に近いものじゃないかっていうような疑念が生まれてきているのは仕方がない事だと思う。」
国谷氏「労働者の争奪戦が過熱している中で、受け入れ国側で重視されるようになっているのが、外国人労働者の権利をどう守るか。
長時間労働を強いられたり、不当に安い賃金で働かされていないのか、この問題は日本のみならず各国でも起きている事。
台湾、韓国ではこうした課題にどう向き合おうとしているのかご覧頂く。」
今年、単純労働を担う外国人が50万人を突破した台湾。
かつて外国人労働者を酷使する問題が相次いだことから企業への監視に力を入れています。
労働当局の査察チームです。
この日の査察先は、ベトナム人など130人の外国人を雇っている家電の製造工場です。
長時間労働を強いられていないか、作業上の注意事項が母国語で説明されているか査察官は一つ一つチェックしていきます。
査察は住環境にも及びます。 1部屋当たりの人数や広さが基準を満たしているか。
トイレなども、くまなく見て回り劣悪な環境に置かれないよう指導しています。
給与明細についても理解できるよう労働者の母国語での説明を義務づけています。
「我々の仕事は外国人労働者の人権状況の改善に役立っています。
行政、企業ともに外国人労働者を積極的に受け入れようとしています。」
それでも企業の監視だけでは問題は防ぎきれません。
過酷な労働を強いられた外国人を保護するための施設です。
取材に訪れたこの日も、介護施設で働いていた3人のベトナム人女性が駆け込んでいました。
1年以上の間1日の休みも与えられず、残業代も支払われなかったといいます。
外国人労働者のさらなる受け入れを目指す台湾。
当局が先頭に立って労働環境の改善を進めたいとしています。
行政が介入して外国人労働者の問題を解決に導くことが重要です。
企業への指導を徹底することが結果的に外国人労働者の獲得にもつながっていきます。
一方、かつて日本と同様の制度で外国人を受け入れていた韓国。
10年前に抜本的な制度改革を行い、国の責任で外国人を正面から労働者として受け入れることにしました。
改革の1つの柱が転職制度です。
バングラデシュから韓国に来たサイムさんです。1年前家電の部品工場で働き始めました。
しかし、住居としてあてがわれたのは工場の敷地内にあったコンテナハウス。
残業代が支払われなかったり、雇用主から度々暴力を振るわれたりしたといいます。
「このように力いっぱい蹴られました。とても痛かったです。いつもどなり声で呼ばれました。まるで犬扱い でした。」
そんなサイムさんの支援に当たったのが、政府が設置した相談窓口でした。
この窓口では、15か国の言語で相談に応じています。
サイムさんも母国語のベンガル語で窮状を訴えました。
その結果、政府の支援を受けて別の会社を紹介してもらい転職することができました。
住環境や給与も改善され今では毎月、日本円でおよそ10万円の仕送りが可能になりました。
「私の将来の夢はバングラデシュに帰って自分の会社を立ち上げる事です。
韓国では支援の仕組みがきちんとしているので問題を解決する事ができました。」
外国人労働者の保護に取り組まなければ経済を支える労働力の確保は難しいと韓国政府は考えています。
「外国人労働者を使い捨てにするべきではありません。
技術を身につけている労働者は社会の一員として受け入れるべきだと思います。」
国谷氏「受け入れている所でも相当、徹底した取り組みを行わないと人権侵害は起きてしまうもんなんですね。]
丹野氏「そうですね。 権利の弱い人達なので、絶えず査察なり何なりきちんと入って見ていかないといけない。
台湾の場合だったら、とにかく投資をした上で、地域の人の労働市場とバッティングしないっていうことを確認し、その上で外国人労働者を入れる。」
国谷氏「つまり地域と軋轢を生まない仕組みを作っている?」
丹野氏「そうです。 韓国も同じ。地域で求人を出しても人が集まらなかった時に外国人を入れる事が出来る。
そしてどちらも、とにかくコストをきちんと払える所に人が集まるという仕組みを作って、外国人を入れる事を徹底することによって、それまでいた人達との労働市場でのバッティングが起きないようにしている。
ただ、それをしても外国人なので、自分達が分かる言語で、色んな情報をきちんと伝えていかないと権利侵害が避けれないのだと思う。
だからこそ台湾も韓国も、徹底した査察と監督を国を挙げてやっていると思う。」
国谷氏「日本だとどちらかというと、安い労働者というイメージがあるが、そういう位置づけではない?」
丹野氏「やはり安い労働者を入れるというのではなく、根本的に人が集まらない所に人を入れる。あくまでもその為の外国人労働者だっていう形で集めるということが重要なんだと思う。」
国谷氏「日本の抱えている”技能実習制度”というのは、今、どういう局面にあるか?」
丹野氏「そうですね。そろそろ真剣に皆さん考えていかないといけないと思う。やはり、一番最初の原点に立ち戻って、彼らは労働者であって、あくまでも単純労働力かも知れないが、労働者を受け入れているんだと考える事が出来るのかどうなのかそこを見つめ直す必要があると思う。」
以上
外国人労働者の激しい争奪戦が繰り広げられていますが、地理的にも制度的にも台湾・韓国に劣っているのは事実なので、日本の苦戦は当然だと思います。
日本の”外国人技能実習制度”の問題点として、人権侵害や事件が多発しているので、直ちに制度を改正する必要があるとf思っていたけど、正直ここまで人材確保が劣勢だったとは・・・
【ジパング】でよく、ミャンマー・ベトナム・インドネシア・バングラデシュなどは、超親日で日本に憧れている様をやっていて記録してきたけど、
そういうアジアの勤勉で親日国の人達が、制度上の問題で日本に来れないのはやはりおかしいと思います。
あっ、でもその前に、国民総番号制と指紋押捺制度をきちっと導入しなくちゃ。韓国人もこう言ってるし
《発覚した防空の「穴」!おもちゃ無人機に韓国衝撃。金慶珠「韓国の指紋押捺制度は安保上必要。日本の差別性とは違う」 【いま世界は】》 より一部抜粋
・・・(国防省が無人機から韓国人以外の指紋を検出したと発表し驚いたが、つまり韓国政府は全韓国民の指紋を登録・把握している?)
あー、日本の皆さんにとってみればね、一時期あのー、そのー、在日を中心とする指紋押捺反対運動というのが相当あって、韓国政府も人権侵害だという抗議をしていた。なのに韓国国内では(笑)あの、韓国人全部諮問押捺しているのかとビックリされるかも知れないんですがぁ、
まず韓国がその指紋押捺という制度をとっているのはですねぇ、あの向こうは住民登録制度というのがありまして、国民総番号制度というのが、まぁ60年代、、もっと前から大々的に取り入れられているんですね。
その最大の理由はやはり安保的な理由で、スパイなど含めてですね、国民のその本人確認含めて居場所などを把握する為の必要性なんです。
ただこれが何故韓国国内では問題にならないかというと、日本の場合は日本人の皆さんには指紋押捺を強要しない。しかし外国人には在日を含めて諮問押捺を求めるというこの差別性があるんですが、
韓国の場合は、韓国の国民もそうだし(笑)韓国に居る、あるいは訪れる外国人に対しても全て指紋をまぁ求めているというところが違いますよねっ。
というわけで、労働力云々の前に、安保の為、差別しないよう外国人全ての指紋押捺制は必須ですね。
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